「国のメジャー補助金の概要をプロが解説」

会計・経理 補助金
公開日:2023.1.31
更新日:2023.1.31
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国では幅広く公募を行う補助金があり、4大補助金と呼ばれています。
「事業再構築補助金」、「IT導入補助金」などを耳にしたことはあるけれど、どんな補助金かわからないとお困りの方が多いようです。
また過去に活用したことがある事業者でも、現行の制度は内容が変更されていることもあります。
こちらの記事では、国の4大補助金の概要についてわかりやすく解説していきます。
(尚、この記事は2022年10月10日の情報をもとに記載しております。補助金の活用を検討されるときは必ず最新情報をご確認ください。)

①事業再構築補助金(補助金額 最大1.5億円)

新型コロナウイルス感染症の影響を受けて売上が下がった中小企業が思い切った事業再構築を行うために必要な建物や設備投資、システム開発等を支援します。
多くの事業者が申請する「通常枠」、多くの従業員を雇用しながら、継続的な賃金引上げに取り組むとともに、従業員を増やして生産性を向上させる中小企業等を対象とする「大規模賃金引上枠」、引き続き業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む事業者を対象とした「回復・再生応援枠」
経営環境の変化に伴い新設の枠も出てきています。原油価格や物価高の影響を受けた事業者に対する「緊急対策枠」、最低賃金引上げに対し原資の確保が難しい事業者に対する「最低賃金枠」、グリーン分野での事業再構築を通じて高い成長を目指す事業者に対する「グリーン成長枠」が展開されています。

申込枠

(表1:公募要領より筆者作成)

要件として、売上がコロナ前と比べて減っていること、指針に沿った事業再構築に取り組むこと、認定経営革新等支援機関と事業計画策定に取り組むことがあります。(その他、詳細や枠ごとの要件は公式ホームページや公募要領でご確認ください。)

2021年春から新しく公募を開始された補助金です。
大型の補助金ですので耳にされたことがある方も多いでしょう。他の補助金とは違い、建物費として建物の新築(適応に制限あり)、改修も対象となるのが特徴です。
他にも機械装置費、システム構築費、技術導入費、外注費、広告宣伝費・販売促進費・研修費が対象です。
建物費、機械装置費、システム構築費のどれか一つ以上の申請が必要です。

採択率に関して、枠により異なりますが、申請が多い通常枠が3割から4割ほど、回復再生応援枠(旧:緊急事態宣言特別枠)は6割です。
申請時に提出する事業計画書や申請書類の整備、採択後の手続きに関して4つの補助金の中で最も難易度が高いと言えます。専門家の支援を受けるケースが多いのも特徴です。

尚、事業再構築補助金は次年度(2023年度)に公募されるかは未定です。
毎年末に出される補正予算の内容にてご確認ください。

②ものづくり補助金(補助金額 最大3000万円)

中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援する補助金です。

大きく分けて2つに分類されており、一般型・グローバル展開型と支援者向けの制度のビジネスモデル構築型があります。
こちらの記事では一般型・グローバル展開型をご紹介いたします。

多くの事業者が利用する「通常枠」、業況が厳しいながらも賃上げ・雇用拡大に取り組む事業者が対象の「回復型賃上げ・雇用拡大枠」、DX等に取り組む事業者を支援する「デジタル枠」、温室効果ガスの排出削減等に取り組む事業者を支援「グリーン枠」があります。

申請要件として、基本要件として3から5年の事業計画にて、事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にすることが求められています。
このほか、通常枠以外にはそれぞれの枠ごとに個別の要件が定められています。
尚、基本要件が未達の場合、補助金の返還を求められることもあります。
(詳しくは公募要領にてご確認ください。)

機械装置費・システム構築費が必須で、他に運搬費、技術導入費、知的財産権等関連費、外注費、クラウドサービス利用料、原材料費も対象です。

③IT導入補助金(補助金額 最大450万円)

中小企業が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、業務効率化・売上向上を支援する補助金です。

労働生産性の向上に資するITツールが対象の「通常枠」、サイバーセキュリティお助け隊サービスリストに掲載されているセキュリティサービスの利用料を支援する「セキュリティ対策推進枠」、インボイス制度への対応も見据え、会計・受発注・決済・ECソフトに加え、PC・タブレット・レジ・券売機等のハードウェア導入費用を支援する「デジタル化基盤導入類型」、複数の中小企業・小規模事業者等が連携して地域DXの実現や生産性向上を図る取組に対して、「複数社連携IT導入類型」があります。

他の補助金とは違いIT導入支援事業者の支援を受けて申請するのが特徴となっています。

それぞれの類型によって細かく区分されているので次の表をご確認ください。

類型別の表

(表2:公式チラシより引用)

クラウドERP「GRANDIT miraimil(グランディット ミライミル)」が補助金対象のITツールとして認定されました。詳しくは、以下のリンク先でご確認下さい。

クラウドERPサービス導入につかえるIT導入補助金2022|未来を見る統合型クラウドERP「GRANDIT miraimil」

④小規模事業者持続化補助金(補助金額 最大200万円)

持続的な経営に向けた経営計画に基づく、小規模事業者等の地道な販路開拓等の取り組みや、業務効率化の取り組みを支援する補助金です。

小規模事業者が対象であるのが他の4大補助金との違いです。

令和元年・3年度補正予算 小規模事業者持続化補助金

(表3:令和元年・3年度補正予算 小規模事業者持続化補助金<一般型>ガイドブックより引用)

申請の枠が6つありますがそれぞれ要件があります。
販路開拓の取り組みに活用できる「通常枠」、販路開拓の取り組みに加え、事業場内最低賃金が地域別最低賃金より+30円以上となる小規模事業者を支援する「賃金引上げ枠」、販路開拓の取り組みに加え、雇用を増やし小規模事業者の従業員数を超えて事業規模を拡大するための「卒業枠」、販路開拓の取り組みに加え、アトツギ甲子園においてファイナリストに選ばれた小規模事業者のための「後継者支援枠」、産業競争力強化法に基づく「特定創業支援等事業の支援」を受け、販路開拓に取り組む創業した小規模事業者を支援する「創業枠」、免税事業者であった事業者が、新たにインボイス発行事業者として登録し、販路開拓に取り組む小規模事業者を支援する「インボイス枠」があります。
補助率と補助上限額は下記の通りです。

令和元年・3年度補正予算 小規模事業者持続化補助金<一般型>

(表4:令和元年・3年度補正予算 小規模事業者持続化補助金<一般型>ガイドブックより引用)

機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、開発費、資料購入費、雑役務費、借料、設備処分費、委託・外注費が対象です。
ご注意いただきたいのが、ウェブサイト関連費は、補助金交付申請額及び交付すべき補助金の額の確定時に認められる補助金総額の1/4が上限です。またウェブサイト関連費のみによる申請はできません。

いかがでしたでしょうか。国の4大補助金の概要についてご紹介いたしました。
何のための補助金なのかを確認し、詳細は必ず公式ホームページや公募要領でご確認ください。
またどの補助金を活用すべきか悩む場合には、専門家の活用をおすすめいたします。

ご希望の方に、ダウンロード版「採択する計画書作りのポイント」を差し上げます。

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